法改正で増える負担

介護保険制度はこれまで、時代に合わせて幾度となく改正されてきました。2015年にも行われ、一部利用者の自己負担率が増えたり、地域で介護予防を目指す取り組みを行ったりといった変更が行われました。

その理由として、日本の高齢化と少子化が進んでいることが挙げられます。介護保険の財政が、どんどん厳しくなってきている背景があるのです。
加えて、第一次ベビーブーム世代である団塊世代が75歳以上の後期高齢者となる頃には、社会保障の負担は更に増大すると言われています。

そのような状況の中で、今後更に介護保険制度の改正が行われることが決定しています。
高齢者の自己負担率が基本的に2割となり、通所介護サービスなどの提供は自治体主体になります。また、介護度の低い方への福祉用具貸与サービスの見直し、利用者負担限度額の引き上げなどが行われるため、現在支援を受けている人が、サービスを受けられなくなる可能性があります。

現在はまだ提案のみで、決定ではありません。しかし、今まで利用していたサービスを利用できなくなる高齢者は必ず出てくるでしょう。そのため、介護業界では業務を見直す必要性が出てきたのです。

また、医療制度についての改正も予定されています。国民一人一人の健康寿命を伸ばし、元気に自立した生活をできることがもちろん一番ですが、病気になっても安心して暮らせる環境を整えることが大切だと言えます。

介護を必要とする人がこれまで通り適切なサービスが受けることができるように、介護関係者だけでなく、国民全員が法改正の情報に敏感になっていくべきかもしれません。