人材不足の原因とは

介護業界は、慢性的な人材不足に悩まされています。将来的には、約40万人の介護職員が不足すると予想されています。一方で、介護業界で働く職員の数は増加傾向にあります。にも関わらず、人材不足は解消されていません。この原因はどこにあるのでしょう。

1つは少子高齢化の影響です。高齢化に伴い介護が必要な高齢者の数は増えていますが、少子化に伴い働き手の数は減少傾向にあります。つまり介護の需要に対して供給が追いついていないのです。
また、核家族化や共働き世帯の増加によって、在宅介護ができる世帯が減少しているのも介護における人材不足の原因と言えます。

そして、もう1つの原因は介護職の離職率の高さです。ただ、離職率が高いと言っても、イメージだけが先行しすぎている部分もあります。確かに、介護の離職率が、他の業界と比べて5%以上高かったこともありました。しかし、今は環境や待遇の改善が行われており、平均値に近づきつつあります。

離職率が改善傾向にあると言っても、様々な理由で介護職を辞める人は後を絶ちません。辞める理由としては、給料の安さ、労働時間の長さ、仕事のきつさなどが挙げられます。
また、介護の仕事は施設の利用者さんやその家族など、常に人を相手にする仕事なので、コミュニケーションを取るのが苦手な人はストレスを感じるようです。
ストレスが溜まることでスタッフの間でトラブルが起こり、人間関係を理由に辞める人も居ます。

少子高齢化はすぐに解決できる問題ではありませんが、離職率の高さについては改善の余地があるでしょう。離職した職員の復職支援制度や、子育てしながら働ける環境の整備など、国や自治体が協力して、働きやすい環境作りを行うことが大切なのです。
実際に今、さまざまな企業が人材不足解消に向けた取り組みに尽力しています。